大野の音楽は、当時日本でも最高水準にあったミュージシャンを惜しげもなく登用し、自身の鍵盤(主にフェンダー・ローズによるものだったが)を加えたバンド編成のリズムセクションに、ジャズ出身ならではのフォーンセクション、ストリングセクションのアレンジを加えるという、70年代日本音楽の総力戦とも言えるものであった。荒井由実や山下達郎のような、従来の日本のフォークにない複雑な調性や和音、リズムを導入した音楽にポピュラリティを与えたものとして、大野の功績は甚大なものがあるといえよう。
劇伴の世界で名をはせた大野であるが、しばたはつみ・弘田三枝子・ソニア・ローザといった歌手のプロデュースも手がけ、成功を収めている。これらの作品は1990年代にレアグルーヴとして再評価され、一時期はDJやコレクター達の間で中古盤の価格が高騰していた。
また、電子音楽のレーベル「トランソニック」主宰の永田一直によるドラムンベース・プロジェクト「FANTASTIC EXPLOSION」は、1970~80年代のTVCMなどの音ネタと共に、大野やYou & Explosion Bandが手がけた作品の多くをサンプリングして使用し、1990年代後半に話題となった。ルパン三世のリミックスアルバム「PUNCH THE MONKEY!」では「非常線突破」のリミックスを(YOU & FANTASTIC EXPLOSION MIX)と題し手がけている。
現在は作曲活動を極力セーブし、俵山昌之(Bass)、江藤良人(Dr)(Drは2007年3月まで村田憲一郎)とともに大野雄二トリオとして、また、2006年には俵山・江藤ほか若手ミュージシャン3名を含む計6名でYuji Ohno & Lupintic Fiveを結成し、都内を中心にライブ活動を行っている。
2005年に発売されたアルバム「Made In Y.O.」は、大野のこれまでの曲を収録したものであるが、全て再アレンジの上で新規録音された。大野は同アルバムの制作に集中するため、ライブ活動を3ヶ月休止していた。