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昭和と言えば高度成長期時代で、日本が最も活気に満ちあふれていた時代。当然のごとく、その時代を彩るスター達も無数に登場した。スポーツ界、映画界、そしてエンターテインメントの世界も例外ではない。昭和を代表するアーティストと言えば、美空ひばりに坂本九。キャンディーズやピンク・レディーといった女性アイドルの出現も大きな話題を集めたが、男性アイドル達の出現も、昭和時代を語る上で欠かせないトピックの1つだ。
そんな中、特に話題を集めた男性アイドルとして、1960年代に登場した橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦という3人のスターがいた。彼らはアイドル系歌手としてフォーカスされながら、優れた歌唱力を持ち合わせ「御三家」という名称で親しまれた。青春歌謡というジャンルを築き上げ、当時の若者達の間で大人気となったが、その約10年後の1970年代に「新御三家」と呼ばれる新たな3人のスターが登場した。郷ひろみ、野口五郎、そしてもう1人が西城秀樹である。
特に西城秀樹のインパクトは今なお健在で、ダイナミックなステージやパフォーマンス、そして圧倒的な歌唱力で絶大な支持を集め、昭和の時代をもっとも活気づけたアーティストの1人と言っても過言ではないはずだ。今の時代も歌い継がれる数々の名曲を生み出してきた西城秀樹だが、なんとも興味深いアルバムが突如我々の前に姿を現した。その名も『秀樹カンゲキ!!mix!!西城秀樹ノンストップヒッツ!! 』である。

この作品は、一言で言えば西城秀樹のヒット・ナンバーを1枚のアルバムに収録したミックスCDである。単に、西城秀樹の楽曲を集めたミックスCDと言ったものの、実はこのミックスCDはとんでもない代物である。そもそもミックスCDとは、DJが異なる楽曲を次々と繋ぎあわせて、アルバム1枚を通して楽曲が途切れる事なくノンストップで流れ続けるアルバムの事で、西城秀樹の楽曲がこのような形でお披露目されること自体、ファンからしたら驚きな展開であるだろう。
近年、日本の歌謡曲を使用したミックスCDという形態のアルバムが、日本の音楽シーンでもその数を増してきた。しかし、その大半が原曲を使用せず、本人とは全く異なる他のアーティストが歌い直したカバー曲を使用したものとなっているのだ。これには色々と音楽業界内の事情があるのだが、要は原曲を使用してミックスCDを作ると言う事はハードルが高いわけである。しかし、今回の『秀樹カンゲキ!!mix!!西城秀樹ノンストップヒッツ!!』は、全て原曲。そう、西城秀樹本人が歌っている楽曲をそのまま使用しているのだ。これは衝撃というか、業界の常識を完全に打ち破った。
これまで80枚以上のシングル曲をリリースしてきた西城秀樹の楽曲の中から23曲を厳選収録。「ブーメラン・ストリート」「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」「傷だらけのローラ」「ギャランドゥ」など、これらの名曲が目まぐるしく入れ替わり、日本の青春時代を回帰させる。是非ともこのミックスCDを聴いて、西城秀樹の新たな魅力を存分に味わって頂きたい。