「のれん分け」までのZABADAKは吉良と上野がインスピレーションを受けたというケイト・ブッシュのフォロワー的な世界から出発し、レコーディングで訪れたアイルランドでの体験から、民族音楽(主としてケルト音楽)の要素を強め、独自の音楽を作り上げていった。「のれん分け」後、上野はさらに民族音楽的な要素を強める一方で、クラシック音楽的要素 (現代音楽的要素や古楽的要素も含めて) も打ち出していき、個性的な音楽を構築していくことになる。
一方吉良のソロユニットとなったZABADAKは、迷走の時期を経て、もともと吉良のバックボーンであるプログレッシブ・ロック的要素やギタリストとしてのロックな要素を強め、それらを基盤としつつも民族音楽的要素も混じったメロディアスで叙情的な独特の世界を創造していく。
曲は歌のないインスト曲も多い。また、「遠い旅の記憶」など10分を超える長大な曲もある。